ヘドン・ストリート

機が熟した!いよいよヘドン・ストリートがオープンを迎えます。

ルアーが、「単に魚を釣るための生餌の代わり」でしかなかったら、僕は、ここまでルアー釣りにのめり込んではいなかったと思います。先人達の偶然の発見から進化を続けてきたルアーですが、味も臭いもない無機質な物体に飛びつく魚を見てしまうと、その理由を探究しつつ、更なる仕掛けを施したくなるのは、人間のDNAに組み込まれた「好奇心」なのだと思います。高い山があるから、その頂上まで登ってみたくなる。深い海があるから、潜ってみたくなる。目の前に魚がいるから、それを釣ってみたくなる。
それも、ルアーで……

僕が世界中を旅行している時に、必ず寄る場所があります。それは、図書館と釣具店です。どちらも、その国や地域で釣れる魚や釣り方、そしてそのエリアの釣り文化を学ぶことが出来るから好きです。残念ですが、図書館には情報はたくさんあるけど目の前に釣り具がありません。逆に、釣り具屋さんにはタックルがいっぱいあっても、情報が少ないと思います。もちろん、図書館も釣り具店もその目的を考えれば当たり前のことですが、僕はいつも釣り具店でルアーを見ながら、図書館のように、自分の釣りを更に進化させるための歴史や知識、技術進化の為の情報を得る事が出来たら、自分の釣りを大きく進化させる事が出来ると思っていました。10年前では難しかったことですが、携帯端末機が急激に進化してきた今ならば、QRコードを使って目の前にあるルアーの情報を動画や資料を使って紹介することもできると思いました。お店にいながら、自分の目の前にあるルアーの歴史やそのルアーの特性を生かすための使い方を簡単に知る事が出来れば、自分のゲームプランの中に組み込みやすくなると思います。自信を持って使い切っていくルアーにする事が出来るようになると思うのです。
ルアーは、タックルと呼ばれるように、まさに道具なのです。例えば、大工さんが家を作るために道具を買いに行く時にお店の中でたった1種類のドライバーしか売っていなかったら、おそらく使い物にならないと思います。ネジのサイズやタイプに合わせて数種類のドライバーをボックスに入れておくべきだからです。釣り具店もいつの間にか雑誌などで紹介されているルアーを中心に置くという傾向が続いてこともあって、いつの間にか大きな偏りが出来てしまったのです。

今回、フィッシング遊が、僕の懸念と提案に興味を持ってくれました。中京地区の、フィッシング遊・鈴鹿店を訪れてくれるアングラーの為になるのであればということで、お店の大改装、ヘドンストリートのオープンということになったのです。フィッシング遊・鈴鹿店では、キャッチフレーズの「原点回帰」という言葉が示すように、一度原点に戻って、たとえ雑誌に載っていなくても、ここを訪れるアングラー達が自分のタックルボックスをちゃんと完成する事が出来るように、基本的なルアーを幅広く置くということになったのです。もちろん、おしゃれに楽しく買い物出来るように、ルアー・コーナーにはヘドン・ストリートという名前を付けて、様々な仕掛けを施してくれています。ここで全てを書いてしまうと、見に行く時の感動が薄れてしまうでしょうから多くは書きません。楽しみにしてください。更に、ヘドン・ストリートの入口には、携帯を使わないアングラーの為の情報パネルを設置してくれることになりました。ここで得られる情報は6週間くらいのペースで、知っておくべきルアーの歴史から使い方までを紹介していく予定です。

釣りは、人が人として心にゆとりを持って幸せに生きていく為の環境作りをしてくれると思います。親子の絆を深めていくのもその1つ、友達との間の友情もそうですし、自然の雄大さや自然保護の立場から環境問題を考えていく事もあります。だから僕は、今から360年も前にアイザック・ウオルトンが書いた「釣り師は全ての魚を愛するように、人類すべてを愛する。」とする、スポーツとしての釣りの思想が大好きなのです。ヘドン・ストリートで初めて会った人と会話が弾んでいつか一緒に釣りに出かけるようなことがあったら素晴らしいと思います。僕は、今回のこのような環境作りの為の大改装を英断してくれたフィッシング遊・鈴鹿店にも感謝していますし、ここを訪れるより多くのアングラーの皆さんにもルアー釣りを思いっきり楽しんで欲しいと思っています。

最後に、昨日決定したことがありますので紹介したいと思います。これは平日の夕方にルアー教室を開くことです。大阪、東京での釣り具ショー会場では1時間という限られた時間の中で全てを話す事は出来ませんし、周りもにぎやかなので落ち着きません。そこで、平日の夕方から3時間くらいかけて、バス釣りの基本からルアーの選び方や使い方、そしてチューニングの話などを一気に説明してみたいと思っています。現在、鈴鹿市で合計4回のクラスを考えています。開催日は6月9日と10日。6月30日と7月1日を考えています。細かい時間や開催場所はフィッシング遊・鈴鹿店にお問い合わせください。当日ふらっと来られても教室に空きがあれば入れますが、机の数の問題もあり、興味があるのでしたら前もって予約をして席の確保をしてください、ということです。
それでは、みなさん、リニューアル・オープンするフィッシング遊・鈴鹿店のヘドン・ストリートを存分にお楽しみください。そして、これからもどんどん進化していきますので応援し続けて下さい。

ヒロ 内藤
フロリダ自宅にて